フランス料理店・ポワン・ドゥ・デパーPoint de depart
普段あまりお話できないような、 私達のお料理やお店に対する考え方 などを、今までにあった出来事 なども交えながら、色々と書いていこうと思っております。 なかなか、ご理解頂けない事も、 あるかと思いますが、面白おかしくご覧いただけたら幸いです。
最近、とっても綺麗なお月様を眺めながら夜道を自転車で帰るのが 楽しみな私達、皆様もお月様ご覧になられましたか? 先週は本当に素晴らしかったですよー。 もし、見損なったーと言う方は、当店のリンクコーナーをクリックし、 ブログ版と言う所をクリックされると、とっても綺麗なお月様が見られますよ。 それから、今回は9月から登場致しました、もち米入りオックステールのポトフ のご紹介。こちらは、先月まで登場していたブレス産ホロホロ鳥のココット焼き からヒントを得て、シェフが、前々から使ってみたかった、もち米を使用して 出来た新作で、私の様にお米好きの方には是非お薦めしたい1品です。 オックステールのした処理や煮込み方については、 前に、この日記のコーナーにて詳しくで紹介しておりますので この場では省きまして、今回は、その煮込んだオックステールを細かくほぐし、 その中に蒸したもち米と細かく切った蓮根を入れ、 網脂で包み込み、よーくソテーし脂を綺麗に焼き切ってから オックステールを煮込んだ時のスープとコンソメと季節の野菜と共に 合わせてみました。試食した感想と致しましては 蓮根のシャキシャキ感と、もち米のモチモチ感と、オックステールの 少々ゼラチン質な脂と深みのあるスープが、とっても熱々でしたが、 そんな事も忘れてしまうほど、あっという間に食べられちゃいました。 皆様も絶対1度はお試し頂きたい秋冬の1品です。 そうそう、私、この当店のオックステールのポトフ、 個人的には≪食べての立場としての素直な感想としては≫ とっても大好きなんですが、経営者の立場から考えると大嫌いーと言いたい ぐらい、原価が掛かり、本当ならばアラカルトで1品¥6000位 頂かないとあわなよなー。トホホ と渋い事を考えつつも シェフの自分が納得が出来ない物は出せない。 と言う強い意志≪信念≫には 勝てず、毎日調理場の隅で、小さな声でブツブツと 念仏でも唱えるが如く 『ねえねえ、どーしてそんなに原価が掛かるの?』と尋ねている私に またまたシェフの一撃、『納得がいく味を出すにはお金が掛かるのは当たり前 洋服でも靴でも同じでしょ』と言われ、ここで引き下がってはと、 では、納得がいく味と、いかない味について検証させてくれーと 今回はシェフの説明を聞きながら、まずオーソドックスに和牛オックステールのみ でフォン≪出汁≫を取ってどの位の味に仕上がるのか 試食させて貰ったのですが、これはあくまでも私の個人的な感想ですが、 味が薄くて、何の味だかよく解らないと言うのが正直な感想でした、 その後に、今度は鳥のブイヨンで煮込んだオックステールのスープを試食し、 それも、先程の物よりは、少しコクが出た印象はあっても、何かピンと来ず、 その後に、シェフがいつもやるやり方、 予め取った鳥のブイヨンの中でオックステールを煮込み、 その後、その煮込んだスープを煮詰めた物に、更に牛のコンソメを 加えて、味を調えた物を試食したんですが、これは流石に、一口、 口に含んだだけで、歴然と先程の物とはスープの濃さ・味の深みが違う ことが解りました。そう丁度 写真で例えるならば、 パッとピントがあった様な感じで、 あーこれがシェフが考える納得がいくと言う味の出し方なんだ、 と実感させられた貴重な体験でした。 しかし、これは、あくまでも当店のやり方であり、人それぞれ 味の感覚も作り方も違いますので、その辺は予めご了承下さい。 と今回はこの辺で、また、 追伸・先日お世話になっている輸入元フィネスさんのワイン会で 久しぶりに、マルキダンジェルヴィルの2003年ヴォルネイ シャンパンと ヴォルネイクロデデュクを試飲してビックリ、2003年は今飲んでも楽しめるぐらい 果実味が出ていました。通常なら長熟タイプのワインなので、 もっと酸や渋みを感じると思っていただけに、とっても以外でした。 そう言えば、ロワールのディディエダグノーのプイィフュメも、2003年は酸が少なく、 どちらかと言うと、熟成させるよりも、今飲んで楽しめる印象でした。 とにもかくにも、ワインやシャンパンの価格は上がる一方で下がる事は無い 状態なので、レストランにとっては、とってもトホホな状態なんでございますよ。
■2006 1/1(日)2006・新年
■2005 5/2(月)ポワン・ドゥ・デパーオリジナル大人の為のロールケーキ