フランス料理店・ポワン・ドゥ・デパー Point de départ
普段あまりお話できないような 私達のお料理やお店に対する考え方 などを、今までにあった出来事 なども交えながら、色々と書いていこうと思っております。 なかなか、ご理解頂けない事も、 あるかと思いますが、面白おかしくご覧いただけたら幸いです。
『小さく見えても大きなこだわり』
もうかれこれ15年、家のシェフを見ていて思う事、 それはどーして、この人は週の半分をお店に泊まりこんでまで仕事をしているのだろう? そして、一体お店で何をしてるんだろう と言う疑問、 最近、それが何なのかお客様の料理に対する素朴な疑問や質問に 答える中から 少しづつ解明されてきたような気がします、 それは、例えば今出しているアンコウのブイヤベース仕立てに関して言うと、 まずどーして、沢山ある魚の中からアンコウを選んだのかと言うお客様の質問から、 シェフに尋ねてみると、それは、お客様に日本と言う国特有の 食で季節を感じてもらいたいと言う事と アンコウと言う、普段あまりスポットライトを浴びない比較的淡白な食材を、 自分が手を加える事で『うわーアンコウってこんな風になるんだ』と言う 驚きと笑顔で喜んで貰える、そんな食材に変身させてあげたいと言う 料理人の 素朴な愛情から出てきたものなのだそうです。 それから、今回の具材でもう1つお客様から、なぜアンコウの胃袋や 腸・皮の部分を細かく切ってライスペーパーに巻いた春巻きのような物は ホウレン草の上にのっているのか、と言う質問をシェフに投げかけてみたのですが これに対しては、私も実際何度も試食し、問題点をいくつか書き出しながら 相談し変更を繰り返しながら作り出したのでシェフに代わって答えますと、 当初、この具材は低温の油の中でゆっくり揚げる事にしていたのですが、 どーもそれだと油っぽくなったり、綺麗な色に上がらないと言う事から、 オリーブオイルを敷いたトレーの上にのせオーブンで焼くという調理法に変え、 ホウレン草の上にのせるのは、スープにこの具材が浸ってしまうと、 せっかくカリッと仕上がった物が、べチャッとし食後感も少々重く感じると言う事から、 何か良い方法はないかなーという所から、丁度ブイヤベースにもう少し野菜を加えたいよね と言う案が出ていたので、あまり邪魔にならなくそれでもきちんと存在感のある 食材と言う事で、今の時期だけ出ている静岡産の食感のしっかりとした 日本ホウレン草を 取り入れ工夫したと言うわけなのです、 私は文章を書くのは得意な方ではないので、どれぐらいの方にご理解いただけるかは 解りませんが、私がシェフを観察?(笑)していて感じる事は、 料理と言うのは、えーそんな事と言う小さな事でもこだわり愛情を込めて手間隙 かける事がとても大事で、納得がいかない事は時間をかけて何度でも繰り返し 試作し納得が行くまでやる事なのかなーと思います、しかしながらこれは料理に限らず どんな仕事でも同じですよね。こんな時代だからこそ、しっかり気を引き締めて 頑張らねばと思う今日この頃です。 追伸・3月がお誕生日のお客様へ お誕生日おめでとうございます、例え幾つになっても新しい出発であるバースデーを 大いに楽しんでください、そして皆様が健康で楽しい時間を過ごせる事を 陰ながら(こそっと) 願ってます。オホホホホ
■2006 1/1(日)2006・新年
■2005 5/2(月)ポワン・ドゥ・デパーオリジナル大人の為のロールケーキ